|
オニカサゴU (料理編)
「美味なる魚・オニカサゴU料理編」
オニカサゴは、水深100〜200mほどで釣れる、カサゴ目フサカサゴ科の魚で、和 名をイズカサゴとニセフサカサゴという二種がいる。
オニカサゴには毒腺があり、刺されると大変な激痛が走るため、釣り上げたら直ぐに背 ビレや尻ビレ、顔の周りのトゲを切り、自前の生簀で生かしておき、活きたまま持ち帰る。
オニカサゴの身上は、何と言っても透明感あふれる白身で、弾力に富んだ身質を持ち、 魚というよりイセエビの身に近くプリプリで、食味も上品な甘さが際立つところだ。
ところが、死んでしまうと透明感が薄れたり、プリプリ感が減少する。
そのため、搬送方法としては、35〜50gのクーラーボックス一杯に海水を汲み、 あらかじめ凍らせておいた2gペットボトルを冬場は1個、夏場3個ほど入れて、オ ニカサゴの代謝を抑えて持ち帰る。
どんな調理法でもすこぶる美味しいオニカサゴは、鱗以外に捨てるところがなく、 内臓も全て食すことが出来る。
さて、お勧め料理となると、先ずは王道の刺身から食して戴こう。
だがちょっと待った。
ワサビと醤油ではありきたり。切り身の上にすだちやレモンなどの柑橘類を一滴絞 り、その上に粗塩ほんの少々振りかけて召し上がれ。
オニカサゴ本来のえもいわれぬ味が口内に広がること請合だ。
続いての刺身はオニカサゴの肝臓。
ゴマ油と粗塩で牛の生レバー風に召し上がれ、カワハギやアン肝にも優るとも劣ぬ 絶品の味に、一度食したら癖になりそうだ。
更なる食感が楽しめるのがオニカサゴの胃袋、輪切りにして塩コショウをまぶし、 フライパンで軽くバターをからめて炒めるだけ。
コリコリッとした歯ざわりと、濃厚な味が楽しめる。
ところで、左党に嬉しいのが、オニカサゴのヒレ酒。
天日干したヒレをこんがり焼いて、熱燗に入れれば、芳香が鼻孔を刺激し、飲んで は香ばしさの中に芳醇で奥深い味わいに、ついつい進みすぎるのが玉に瑕。
最後はオニカサゴの鍋でお開きとしよう。
オニカサゴの兜を割り、残ったアラと皮を鍋に入れ、その周りに旬の野菜や豆腐に えのきなどをあしらい、さっと一煮立ちすれば出来上がり。
ポン酢醤油と紅葉おろしで召しあがれ。
残ったスープで雑炊を作れば、まさにオニカサゴのフルコースだ。
他にも是非とも召し上がっていただきたいお勧め料理は、オニカサゴの握り寿司。
タイやヒラメも足元には及ばない至福の味に、満面の笑みとなるだろう。
〈フィッシング・プロアドバイザー藤井道雄〉
|