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伊勢湾の釣魚・メバル 藤井道雄
メバルのプロフィール
メバルは初夏の頃が旬であり美味しくなるが、釣りものが少なくなる冬場から春先
まで沖釣りの対象魚として人気が高い。
春告げ魚と呼ばれるクロメバル(ホンメバル)は卵胎生で、孵化した4〜5mmの
仔魚は春先に雌の体外へ生み出される。
成長は1歳魚で約9cm、2歳魚で13cm、3歳魚で16cm、5歳魚で20cm程の 体長と遅く、30cmオーバーとなるには何年の歳月を要するのだろうか?。
生息域は水深4〜5mの浅場から50〜60mの深場に棲み、生息場所により 黒褐
色や銀色から黒の横縞模様のある体色に変化する。
メバルの仲間は多く、代表的なクロメバルと呼ばれる黒色型の内湾で釣れるものか
ら、 トゴットメバルやウスメバルと呼ばれる沖メバル類の他、
ソイやヤナギノマイなどの北方系のものなどと多彩である。
いずれのメバルもフィッシュイーターで、エサとなる小魚などに果敢にアタックし
鮮明なアタリを釣り人に伝えるため釣趣もある魚である。
また、メバル釣りの楽しさは、細仕掛けを用いて魚体からは想像できないほどの
強い引きと、胴突仕掛けに複数のメバルを追い食いさせ一荷で釣り上げるところにある
と言っても良いだろう。
他にも、メバルは凪の日を釣れという格言があるように、臆病な魚であるが故に海
が荒れると岩礁帯や海底付近の身の隠せる場所に潜んでしまう。
ところが、凪で海上が穏やかな時には活性も高くエサを良く追い、時には水面下数
センチまで浮き捕食をする様などう猛さも併せ持つ。
「メバルの釣り方」
通常は岩礁帯の上に群れているが、潮流や水温又は波の状況により海底付近にヘバリ付いたり、 水面近くまで浮くことがある。
従って、メバル釣りはメバルの居る場所(タナ)を早く知ることから始まる訳であ
る。
伊勢湾のメバル釣りは、胴突5本鈎にオモリ60号が大型乗合船での標準仕掛けと
なり、小船の仕立ての場合は仕掛けは同じだがオモリは30号程度を用いる。
これは、大型乗合いの場合は多くの釣り人を乗船させることから、重いオモリを使
用し
オマツリの回避を目的としているためであり、仕立て船の場合は貸し切りで少数
のためオマツリは少なく軽いオモリの使用となる。
いずれの場合でもメバルを釣るためには、メバルのタナに仕掛けを的確に入れるこ
とと、 細仕掛けを使用するためエサの刺し方が悪ければ、ハリスに縒れやカラミが生じメバルは釣れない。
そこでまず、エサの付け方から始めよう。
冬場のエサは湖産エビやイサザ(シラウオ)の冷凍などを使うが、
春先になればコウナゴやイサザの生き餌を使用する様になる。
エビは、尾羽を切り取り尻から鈎先を刺し第一関節の腹側に抜き、
鈎の軸にエビを深く刺しすぎないこと。
コウナゴやイサザは顎の下側先端部から鈎先を刺し、頭部の鼻先に鈎先を抜く。
つまり、潮流の抵抗にエサを刺した鈎が回る、スクリュー現象を起こさないように
する事である。
次に、仕掛けの投入だが、オモリを水面に入れ仕掛けが垂直になった状態で
リールをフリーにして仕掛けを降ろす。
オモリが着底したら糸フケを取り、海底から上層へメバルのタナを探って釣ると、
普通はこう表現したり釣り雑誌でもそのように表記してあるが、
はたしてその方法が効率的であるのか考えてみよう。
低層の魚にしても中層の魚にしても上から落とし込むエサの動きの方が、
下から巻き上げてくるエサより発見しやすいはずである。
ならば、発想を替え水面から徐々に仕掛けを送り込めば、浮いているメバルや海底
にヘバッているメバルにしても、上層からタナを直撃する事になるのではないだろう
か。
また、海底の起伏が激しい場所でも上層から低層に徐々に仕掛けを降ろせば、
たえず道糸が張った状態となり障害物や着底の把握が確実にわかり根掛りも減少するであろう。
このように、上層からタナを直撃し着底後の糸フケを取るタイムラグも無く、
根掛りのトラブルっも解消し効率良く釣れば釣果は良くなる。
今回はメバル釣りの概要を伝えたが、更なるテクニックと
タックルについては次回詳しく紹介する。
伊勢湾の釣魚・メバル (続)
伊勢湾のメバルが釣れなくなった、型が小さくなったと言われ出してから久しい。
何年前からの事であろうか?.
しかし、冬場から春先まではこのメバルが沖釣りの主役で無くては困るのは、
私一人だけではあるまい。
そのメバルの釣り方であるが、仕掛けをいったん着底させた後上層へタナを探るの
ではなくて、上層から海底へとタナを探れば上層や中層のメバルのタナを直撃出来る
ばかりか、海底が荒根の場合でも仕掛けにテンションが
掛かっているため着底の感触が良く伝わり根掛りも解消出来る。
と、ここまでは前編でお伝えしたが。
後編は一荷釣りのテクニックとタックルに付いてお伝えしよう。
タナを丹念に探りメバルのアタリがあり鈎掛させても、1匹々を釣り上げたのでは
釣果ものびなく釣趣もない。
そこで、一荷でメバルを釣り上げるためには、メバルが胴突仕掛けのどの鈎に掛
かっているのか知る必要性が生じる。
それは、上層や中層で上鈎に鈎掛りした場合は、その鈎掛りした位置に仕掛けを巻
き上げれば、順次鈎掛りするはずであるし、下鈎に掛かった場合は仕掛けを降ろす事
により順次鈎掛りし効率的である。
そこで、どの鈎に掛かったのか見極める方法を考えてみよう。
胴突仕掛ではオモリが支点となり、下鈎にメバルが掛かれば支点に近いためアタリ
の出方は大きく鋭く伝わるが、オモリが抵抗となりメバルの引き(動き)が阻止さ
れ、穂先の突っ込みは小さなものとなる。
では、上鈎に掛かった場合はどうなるのか?.
支点となるオモリからは距離が遠くなりアタリの出方は小さく鈍くなるが、支点か
ら距離があるためメバルの引き(動き)に対して抵抗が少なくなるため穂先は大きく
突っ込む。
この理由は、弦をつま弾く時に間隔が狭ければ高く鋭い音として伝わり、間隔が広
ければ低く鈍い音として伝わる事を思い浮かべれば理解出来るはずだ。
さて、一荷(追い食い)釣りの方法は理解出来たものと思うが、せっかく鈎掛りし
てもバレが生じる事がある。
そのバレを減少させるためには、メバルの捕食方と鈎の形状に付いて述べてみよ
う。
メバルは向こうアワセで鈎掛りする魚なので、アタリがあってもアワセは不要であ
る。
この事からも、ムツ鈎などのねむり鈎を用いれば奥掛りもしないし、口の廻りに掛
かった鈎は先が更に内側に曲がっているためメバルの口唇の穴が開いても鈎は外れな
い。
唯一欠点としては、鈎先が軸と平行で無くて内側に曲がっているため餌が刺しづら
いが、鈎のチモトを持たないで懐部を掴むことで餌に対して鈎先が直角になり刺しや
すくなる。
「メバルのタックル」
竿→3〜3.3m7:3先調子 (50号のオモリを吊り下げ穂先がたれすぎない
事)。
(インナーガイドタイプが風の抵抗も少なく、鈎がガイドやラインに絡まる事
が少ない)
リール→ラインキャパPE4号100m程巻ける中小型のもの。
(デジタルカウンターは PEライン使用の場合は無くても良い)
仕掛け→鈎10号・ハリス1.0〜1.5号・幹糸3号・枝長30〜50cm
・間隔45〜65cm・4〜7本鈎。
オモリ→胴突タイプ60号。
周辺器具→ロッドキーパー。
「鮮度保持」
冬場から春先の釣りは外気温もそんなに高くなく、
クーラーボックスに準備する氷は多くを要しない。
メバルの魚体に氷が直接触れないよに、クーラーの蓋を利用しビニール袋などで
吊り下げて置く。
「お気に入りの料理」
メバルは数釣りが出来るため持ち帰る量が多く、塩焼きや煮付けばかりでは
消化しきれれない時がある。
そんな時には味噌漬けがおすすめである。
酒粕が入手出来ればそれも良いが、身近にいつでもあるのが味噌の良いところだ。
まず、下ごしらえしたメバルを3枚におろし中骨は使わない。
味噌はお好みのものに、酒を適量くわえ味噌床を作っておく。
サラシを味噌の上に敷き、メバルを乗せその上にサラシを被せ味噌で被い、 直接メバ
ルの魚体に味噌を漬けないようにする。
3日ほど冷蔵庫で寝かせ、味噌から取り出し軽く炙って食する。
さて、次号はマダカの手繰り釣りを紹介しよう。
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