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伊勢湾の釣魚・マダカ
「マダカのプロフィール」
スズキになる前のサイズをこの地方ではマダカと呼ぶ。
スズキは出世魚の一つで成長と共に呼び名が変わり、関東では1年魚をセイゴ、
2〜3年魚フッコ、5〜6年魚で70cm以上に成長したものをスズキと呼ぶ。
かってこの地方では1年魚〜3年魚をセイゴ、4年〜5年魚をマダカ、70cmを
越すものをスズキ又はオオタロウと呼び、大きさによる呼び名がはっきり区別されて
いたが、現在ではセイゴとマダカ、マダカとスズキの境界線がどこにあるかハッキリ
しなくなってきている。
食性はどう猛なフィッシュイーターであるが、小魚をはじめエビ類や虫類も捕食す
る。
鈎掛りすると水面で激しくジャンプし、カミソリ状のエラでハリスを切るエラ洗い
はこの魚特有の動作であり、その動作を交わし取り込むのがこの釣りの醍醐味とも 言えよう。
餌釣りの他にもシーバスと呼び、ルアーフィッシングの格好のターゲットとなって
いる。
「マダカの釣法」
この地方のマダカ釣りは時期により餌も釣り方も変わり、春先にはコウナゴを餌に
した手繰り釣りから始まり、コウナゴが姿を消す頃からウタセエビを用いた胴突釣り
となる。
春先の手繰り釣りは餌釣りであるが、まさにルアーフィッシングで言う所のジギング と同じアクションが要求され、餌の動きや手繰るスピードが釣果を決める。
そのことから、最近では各船宿も餌釣りからの転換を図り、ルアー船と称して ジギ
ングによるマダカ釣りを模索し、その熱意がルアーフィッシング愛好者に伝わり 静かなブームの到来を予感させる。
そこでマダカの釣り方だが、ジギングの釣り方に関してはまたの機会に紹介すると
して、今回は伊勢湾の伝統釣法の一つでもあるマダカの手繰り釣りを紹介する。
餌のコウナゴは、海砂を敷いた船の生け簀で砂の中に潜っている。
砂を掻き回すとその中から飛び出し生け簀の中を泳ぎ始める。
それを数匹小タモで掬い刺し餌にする。
コウナゴはクネクネ動き刺しづらいため、甲板に叩き付けて失神させたり、 頭部を
切り取って鈎に刺す。
胴突二本鈎仕掛けの上鈎は普通の伊セ尼か小鯛鈎、下鈎は鉛を鋳込んだ この地方特
有の鈎を使用し、潮流に応じたオモリを付けて海底まで沈める。
手釣りの場合は字のごとく道糸を手繰り、海底から水面近くまで餌を泳がせマダカ
のアタリを待つ。
アタリは手繰る道糸に重みが掛かったり、時にはコツンと小さな魚信が伝わる事で
わかるが、そのまま手繰ったのではスッポ抜けてしまうため、手繰る速度を落とし聞
きアワセ気味に鈎掛りを促す。
鈎掛りしたマダカは水面でエラ洗いをし鈎から逃れようと暴れるため、
素早くたぐり寄せ頭からタモ入れをする。
以前は手繰り釣りと言えばほとんどが手釣りで有ったが、
昨今は竿釣りの方が主流になりつつある。
そのわけは、ビギナーには手繰り寄せた道糸の処理が難しく絡んだり、 アタリから
鈎掛に至らせるタイミングが取りづらい所にある。
その点、竿の場合は道糸も絡むことなく、しかも竿のシナリ(タメ)があるので
早アワセにならず、弾力(反発)を活かして鈎掛りさせるのでバラシが減少する
メリットがある。
ところで、この釣は餌となるコウナゴを追ってマダカが縦横無尽に泳ぎ回るため、
船は流し釣りでマダカの魚影を追いかけ先回りして釣る事になり、魚影が無くなれば 急ぎ仕掛けを回収し再度潮廻りするので結構手返しが忙しい釣りである。
釣果の善し悪しは潮廻りと、手繰りの早さで決まるのがこの釣りである。
マダカのタックル
手釣り仕掛け(仕立て船の場合は船頭仕掛けを貸与してくれる)
竿→30号負荷の短竿、先調子
リール→ギヤ比の高い小型リール(ラインキャパPE6号200m)
仕掛け→小鯛鈎12〜13号(下鈎は小テンビンを使用した鋳込み鈎)
ハリス5〜6号1.5m 幹糸8号 間隔2m
接続具→手繰る頻度が高いためヨリが良く抜けるもの(ヨリトリックがおすすめ)
お気に入りの料理
初夏の頃から夏場には、氷を下に敷き身を絞めた刺身や洗いが美味しい。
私のおすすめは、マダカをぶつ切りにしアサリや小エビに野菜をふんだんに入れた
海鮮鍋(辛子味)だ。
具が無くなれば鍋底に沈んだ骨や貝殻を取り除き、ご飯を入れてさっとひと炊きし
て卵でとじた雑炊は如何であろうか。
次回はアイナメ釣りを紹介しよう。
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